2022年11月28日

玉子寿しとその歴史

鋸南町の気温12℃ 晴れ

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玉子の寿し

玉子の寿しの由来について、はっきりとした文献はありません。しかし関西の寺で出されていた精進料理の箱寿しに供されていた玉子焼きが最初と言われます。江戸後期、箱寿しから握り寿しが主流になり、刻んだ玉子が握りの玉子へと形が変わったという事でしょう。

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「すしは三都とも押鮓なりしが、江戸はいつごろよりか箱ずし廃し握りずしのみとなる。箱ずしの廃せしは五.六十年以来成り、箱ずしというは、方四寸ばかりの下図のごとき箱に飯を塩と監を合せ、まず半分入れ、しょうゆ煮の椎茸を細かに切りこれを入れ、また飯をのせ下図のように玉子焼き、タイの刺身、アワビの薄片をのせ、縦横十二に切る。横四つ縦三つ、おおよそ十二片とする。
中央の四隅は玉子で、黒きはしいたけ、白きはタイのさしみまたはアワビの片身である」
『守貞謾稿』(1853)より

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『守貞謾稿』鮓の図

握りずしの出現は、江戸後期の文政年間(1818−30)で、当時、忙しい商人が早く食事が出来るようにと早寿しが握りすしの主流になりました。

『守貞謾稿』には、握りずしの種類として、鶏卵焼・車海老・海老そぼろ・白魚・まぐろさしみ・こはだ・あなご甘煮が記載されています。また、「鯛・鮃(ひらめ)は肉白く、鮪の属は赤肉なり。この赤白二種を並べ盛るを作り合せといふ」とあります。

このように、見た目の色合いの美しさを演出したり(鮪の赤、白身の白、玉子の黄)、当時江戸でも流行りだったカステラ(16世紀の室町時代末期にポルトガルの宣教師によって平戸や長崎に伝えられたとされる)のようなデザートとしての役目もあったと思います。

当時は、肉は食用禁止だったが、二本足は許されていたので魚だけではなく、江戸の職人が工夫して焼いた玉子の寿し(魚をほぐして入れたり工夫があった)を作ったのでしょう。

※肉食禁止は、大乗仏教の影響がありました。大乗のいくつかの経典で肉食禁止が説かれますが、最も有名なのは大乗の『涅槃経』でこの経典は、一切衆生に仏性があると説き非常に影響力がありました。その中心的思想から肉食の全面禁止が打ち出されましたが、それでも庶民は隠れて肉を食べていたようです。見つかると処罰は厳しかったようですが。

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たまご寿しの形が現代のようになったのは、江戸時代、カステラは長崎で作られていましたが、やがて江戸でも作られるようになり江戸の住民に親しまれていました。幕府が京都の勅旨(持参の役人)を接待する際には、カステラが出されていたとの記録が残っているようです。この影響で、箱寿司に使われていた刻んだ卵焼きを握りにする際のヒントになったと思われます。

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※カステラの製法は江戸時代の製菓書・料理書に数多掲載され、茶会でも多く用いられた。その一方で、カステラは鶏卵・小麦粉・砂糖といった栄養価の高い材料の使用から、江戸時代から戦前にかけて結核などの消耗性疾患に対する一種の栄養剤としても用いられていたこともある。

本日入荷の寿司種です。(入荷が少ないものは、早めに無くなるものもございます)

サヨリ、ホウボウ、マハタ、メジマグロ、ヤガラ、サワラ、ヒラメ、煮ハマグリ、ギラ、真牡蠣、カワハギ、カツオ、クロムツ、カンパチ、真鯛、金目鯛、煮アナゴ、アジ、締めサバ、シマアジ、コハダ、地たこ、アオリイカ、赤貝、サザエ、ウニ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)

皆様のご来店をお待ち申し上げます

※午後6時までにご予約をお願いします。
らかん寿し松月HP
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タグ:玉子寿し
posted by らかん at 08:59| Comment(0) | 寿司の歴史と雑学

2022年11月25日

クロムツ(金谷産)にさらに脂がのってきました。

鋸南町の気温は23℃ 晴れ
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クロムツ

クロムツ(金谷産)に、さらに脂がのって旨味が増しています。

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(クロムツ寿し、脂がのっています)


クロムツに含まれる脂質には一価不飽和脂肪酸のオレイン酸やイコセン酸が多いので、LDL(悪玉)コレステロールを下げる作用や、動脈硬化及び心疾患を予防する効果があります。そして、良質なタンパク質は、疲労回復、体力向上、動脈硬化の予防、心疾患の予防、高血圧の予防に良いとされます。


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クロムツは、煮ても美味しい

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脂がのり、甘みも増しています。

本日入荷の寿司種です。(入荷が少ないものは、早めに無くなるものもございます)

カツオ、イサキ、フッコ、クロムツ、カンパチ、ハマグリ、真鯛、金目鯛、花鯛、煮アナゴ、アワビ、アジ、締めサバ、シマアジ、コハダ、地たこ、アオリイカ、赤貝、サザエ、ウニ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)

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タグ:クロムツ
posted by らかん at 10:29| Comment(0) | 本日の寿司種

アマダイの甘みが増して大変美味しいです。

鋸南町の気温は13℃ 晴れ

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アマダイ(甘鯛)
スズキ目アマダイ科

甘鯛(保田産)が非常に美味しいです。脂肪分が少なく味は淡白ですが、適度な運動量と豊富な餌を食べて成長しているので、しっかりとした食感があり、甘鯛と言われるように非常に甘みが濃いです。

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(アマダイ寿司、上品で爽やかな甘みが味わえます)

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アマダイは、背中の色の違いでアカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイがありますが、アカアマダイは特に色や形が鯛に似て、刺身で食してみると甘みを感じます。アマダイの名前はその甘みからそう呼ばれました。又、アマダイの生態は大変面白く、小さい時には雌が多いのに、大きくなるに従って雄が増え最後はみんな雄になるといいます。つまり雌が途中で性転換するという珍しい生態の魚なのです。すしネタとしては上品な甘みが多くの方に好まれます。

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(アマダイ)

京都で「ぐじ」と呼ばれていたアマダイは、本来は白甘鯛のことですが、今では殆ど見かけることがないので、現在は赤甘鯛もグジと称して使われています。甘鯛は、京料理には欠かせない魚です。関東では、超高級魚で主に高級料亭で焼き物や刺身で供されます。

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※海魚考(饒田喩義著・文化4(1807)年に発行)によると、「あまだい、あじわいあまし、故に名づく」とあるように、アマダイの味が甘いので、そう呼ばれるとあります。また同じように、「屈頭角(くずな)・・・頭がケッタイにして屈(こご)むがごとし。故にクヅナと名付く・・・クジはクヅの転音なるべし」と京都でグジと称される由縁が記されています。

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※興津鯛(静岡)の地方名は、江戸時代後期に肥前国平戸藩第9代藩主の松浦清(号は静山)により書かれた随筆集の「甲子夜話」に、「家康が駿府に暮らしていた時、奥女中の一人で興津の局が宿下りの土産に甘鯛の一夜干しを家康に献上したところ、いたく気に入り、興津の局が持ってきた鯛なので【興津鯛と名付けよ】といったのが名の起こりだという。その後、家臣達は静岡あたりで獲れる甘鯛を興津鯛と呼び、献上魚として重んじる様になった」とされています。

本日入荷の寿司種です。(入荷が少ないものは、早めに無くなるものもございます)

サヨリ、ホウボウ、マハタ、メジマグロ、ヤガラ、サワラ、ヒラメ、煮ハマグリ、ギラ、真牡蠣、カワハギ、カツオ、クロムツ、カンパチ、真鯛、金目鯛、煮アナゴ、アジ、締めサバ、シマアジ、コハダ、地たこ、アオリイカ、赤貝、サザエ、ウニ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)

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posted by らかん at 09:19| Comment(0) | 本日の寿司種