2022年10月07日

握りずしと醤油の歴史

鋸南町の気温は12℃ 雨

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ご来店時はご予約をお願いします。
今日は特に寒さが厳しいです。風邪など召されませぬようご自愛ください。

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どれも脂がのっています。

握りずしと醤油の歴史(すし風土記 近藤弘著)

寿司を食するのに大切な調味料に醤油があります。寿司種と寿司米の味わいを壊さずに風味を増してくれる醤油は寿司の美味しさをより一層引き出してくれる役目があります。

素材の味を壊さない味付けや引き立て役の醤油は、料理の大切なアイテムだと思います。特に江戸前のすしは、新鮮な魚を使いますのでその素材本来の味を大切にしなければ醤油は無用となります。その素材をさらに引き立てて味や風味をプラスにしてこそ寿司の美味しさが増し醤油が生きて来ます。

醤油は主に穀物を原料とし醸造技術により発酵させて製造する液体調味料で、アミノ酸・糖を多く含みますが、発酵の過程で大豆のたんぱく質、小麦のでんぷん質などが分解され旨味成分が熟成されます。酵素の働きは旨味を引き出すとともに健康には欠かせない成分です。寿司種や米も育った環境や素材によって味は違いますが、醤油も素材が大切です。大豆や小麦、そして麹を育てる環境によって醤油の味は全く違うものになります。
現在使っている濃口や淡口しょうゆが、私達の食卓に現れたのはそれほど古くはありませんが、その前からあった醤(ひしお)はかなり歴史があります。

政治文化の中心地が関西地方のころにしょうゆの製造が始まり、江戸時代に下総の野田や銚子で造られ、全国的に広まっていきました。しょうゆが使われ始めた頃は酒や米よりもずっと値が高く、ハレの日にしか用いないほどの貴重品でした。

握りずしと醤油

握りずしは、いつごろから 江戸に普及し始めたのか、調べ進めてゆくうちに、関東系の醤油の歴史を知る必要があることを痛感した。そこで、千葉県の野田市に乗り込んだ。野田の醤油醸造史と握りずしの発達の足並みは、驚くほど一致していることがわかった。

野田の醤油醸造が飛躍期を迎えたのは、江戸川開削工事の完成が決定的な要因と考えて良い。利根川の本流を千葉県の関宿で開削工事が完成したのは、寛永17年(1640年)のこと。

この後、江戸川の水運をたよりに、常陸(茨城)の大豆、行徳(千葉)の塩、赤穂(兵庫)の塩、相州(相模=神奈川)の小麦、下野(栃木)の竹材も、あるものは江戸川をさかのぼり、あるものは江戸川を下って、野田に集まってきた。そのうえ、当時の江戸川の水が醤油造りに適していた。

明和(1764−72年)から安永(1772-81年)にかけて、野田の醤油は広く世間に喧伝されるようになった。
天明(1781-89年)に入ると、朝、野田で舟積みされた醤油は江戸川を下り、その日のうちに続々と江戸の問屋河岸に着いた。こうして、野田の醤油が大量に流通するにつれ、それまで江戸の醤油市場をおさえていた関西系の薄口醤油の影響は薄れていく。

天保3年(1832年)に野田醤油の造石高は23000石(約4140キロリットル)、安政3年(1856年)に32000石(約5770キロリットル)。明治維新を境に関西系の薄口醤油は江戸の町からほぼ完全に姿を消してしまった。以上は、キッコーマン醤油の常務取締役、茂木克己さんの話をもとにつづったものである。
茂木さんの話が、文政にかかったとき、私はすしについて調べていた時、目にとっまたある川柳を、ふと思い出した。

妖術といふ身で握る鮓の飯 帆布

この句は文政12年(1829年)によまれている。幕府から野田に御用醸造の命が下ったのが、なんとこの年であった。
こんな醤油史を踏まえ、さらに「あたしらは薄口じゃあ、ニキリもニツメも上手くできませんねえ」(鈴木守さん)などと聞くと握りずしの育ての親は濃口醤油という気がしてならない。
(すし風土記 近藤弘著)

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明治初期の押絵の名人・勝文斉椿月の代表作品
(野田醤油)醸造之図 ※しょうゆの本 田村平・平野正章著

昔は保田にもしょうゆ屋がありました。駅前の豊田屋商店(松月の親戚)がしょうゆ屋でした。当時は多くの荷物が保田に集まり、そこから汽車や船を使って地方に荷物が流通していきました。
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(立派な建物が目を惹きました。大正時代)

本日入荷の寿司種です。(入荷が少ないものは、早めに無くなるものもございます)

真牡蠣、カワハギ、カツオ、クロムツ、カンパチ、真鯛、金目鯛、煮アナゴ、アジ、締めサバ、シマアジ、コハダ、地たこ、アオリイカ、赤貝、サザエ、ウニ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)

皆様のご来店をお待ち申し上げます

※午後5時までにご予約をお願いします。
らかん寿し松月HP
ご予約はこちらからお願します。
お急ぎの場合は、電話(0470551004)でご予約をお願いします。(メールでの返事は時間が掛かります。ご了承ください)
TEL:0470(55)1004
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posted by らかん at 09:43| Comment(0) | 寿司の歴史と雑学
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