2022年05月05日

江戸前で獲れた魚はうまい!

鋸南町の気温は20℃ 晴れ

連休中は魚の入荷が不安定です。中央市場が休日となり、地方市場の魚が不足しますので、ご予約のお客様を優先させていただきます。※遠方よりお見えになる場合は、必ずご予約をお願いします。突然のご来店には応じられない場合がございます。(GW期間は、君津ー金谷間の道路が非常に混雑します。高速道路をご利用の場合は、鋸南保田ICで下車してください)

武井周作が書き残した、江戸前の魚がうまいわけ

江戸時代、「江戸前で捕れた魚はうまい」という趣旨が書かれた文献は、いくつかある。しかし「江戸前の魚は何故うまいか」という問いかけへの答えを書いた書物は皆無に等しい。わずかに武井周作が「魚鑑」の冒頭に記した「いな(ぼら)」の項で、次のように書いているだけである。

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(アナゴ寿し)

「(前略)肴よ、酒よといえども、先立つものは飯なりければ、炊かぬ家とてもなし。しかれば竈の煙ひまなく立ち上り、空をおおへり。溝どぶは、米の白いとぎ汁にて色をかえ、末は川に入り、川水これがために甘く、海に入れば潮も亦甘し。(中略)かの江戸前と称えるものは、東方生育の陽気を受けて生じ、五穀の滋味の甘きを食いて育つ。故に味 他国のものに勝れり(後略)」

要するに江戸中の米のとぎ汁が溝やドブを通じて川に入り、五穀の栄養分がすべて海に流れ込み、それを食って育つから江戸前の魚はうまいのだ、という趣旨である。

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(コハダ寿し)

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(ヒラメ寿し)

まだ顕微鏡もなく、食物連鎖の理論も確率していない時代であることを考えると、武井周作の視点は見事といってよいだろう。川から流れ込んだ養分が江戸前の魚をはぐくむのに大いに役立ち、それがために近隣の魚よりうまいという説明である。

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(シマアジ寿し)

この推察はほぼ正解といって間違いなかろう。日本に数ある入り江の中で、東京都内湾つまり江戸前の海ほど多くの河川が流れ込むところは他にはない。西は相模国との境である多摩川から始まり、東へ順に隅田川、荒川、中川と続き、江戸川で下総国との境となる。

上流部の山々に出来る腐葉土から作られた植物性プランクトンをたっぷり含んだ沢の水を集めて支流となり、それが本流へと流れ込み、やがて大河となってそれぞれの川が江戸前の海に流れ込む。すると」それを餌にして大量の動物性プランクトンが発生する。これが干潟に育つ貝類の餌となり、孵化したばかりの仔魚や稚魚を育む餌になる。

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(金目鯛寿し)

また、イワシやアジなどプランクトンを主食とする魚が岸辺に寄ってくる。するとそれを食いにスズキやサワラなどが沖から浅瀬まで回遊するようになる。そこで食物連鎖の頂点にたつ人間が一網打尽にして賞味する。
こうして見事な江戸前魚食文化に関するピラミッドが形成されてきたわけだ。

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(カンパチ寿し、腹と背)

川の水と海水が混じる海域を汽水域という。この汽水域こそ豊富なプランクトンがわく場所だ。江戸前の海とは、随所に川が流れ込み広大な汽水域を形成してきた所で、現在もその状態は変わりない。
(出典:江戸前の魚はなぜ美味しいのか 藤井克彦



本日入荷の寿司種です。(入荷が少ないものは、早めに無くなるものもございます)

イサキ、カンパチ、小柱、アオヤギ、アカムツ、イワシ、春日鯛、クロムツ、シマアジ、サヨリ、赤貝、サザエ、ハマグリ、ヒラメ、タチウオ、甘鯛、真鯛、金目鯛、煮アナゴ、アジ、タコ、アオリイカ、シメサバ、コハダ、ウニ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)、

皆様のご来店をお待ち申し上げます

※営業時間:午前11時〜午後10時(LO;8時30分)午後6時以降ご来店予定の方は早めにご予約をお願いします。
※営業時間内でも魚介が無くなり次第、早めに閉店いたします。
定休日:毎週木曜日
※休祝日・連休・お盆期間中はご予約の方を優先させていただきます。

らかん寿し松月HP
ご予約はこちらからお願します。
お急ぎの場合は、電話(0470551004)でご予約をお願いします。(メールでの返事は時間が掛かります。ご了承ください)
TEL:0470(55)1004
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2022年05月03日

アマダイ(甘鯛)は上品で爽やかな甘みが味わえます

鋸南町の気温は10℃ 晴れ

連休中(3日〜8日)は魚の入荷が不安定です。中央市場が休日となり、地方市場の魚が不足しますので、ご予約のお客様を優先させていただきます。※遠方よりお見えになる場合は、必ずご予約をお願いします。突然のご来店には応じられない場合がございます。(GW期間は、君津ー金谷間の道路が非常に混雑します。高速道路をご利用の場合は、鋸南保田ICで下車してください)

アマダイ(甘鯛)
スズキ目アマダイ科

保田産の甘鯛(アマダイ)は、脂肪分が少なく味は淡白ですが、適度な運動量と豊富な餌を食べて成長しているので、しっかりとした食感があり、甘鯛と言われるように非常に甘みが濃く美味しいです。

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(アマダイ寿司、上品で爽やかな甘みが味わえます)

アマダイは、背中の色の違いでアカアマダイ、シロアマダイ、キアマダイがありますが、アカアマダイは特に色や形が鯛に似て、刺身で食してみると甘みを感じます。アマダイの名前はその甘みからそう呼ばれたました。又、アマダイの生態は大変面白く、小さい時には雌が多いのに、大きくなるに従って雄が増え最後はみんな雄になるといいます。つまり雌が途中で性転換するという珍しい生態の魚なのです。すしネタとしては上品な甘みが多くの方に好まれます。

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(アマダイ)

震災前のすし屋の思い出話

ある日、魚河岸の大旦那衆が集まって、震災前の吉原風情に話の花を咲かせた。
頃は夕暮れ時、向こうから唐桟の着物に角帯をちょいと横にしめて、千草のまた引きに尻はしょり、白足袋につっかけ草履。手拭いは吉原かぶり、粋な姿のすし売りが・・・・「すうし・・・、コハダのすうしー」とやってくる。
「すし売りはね、ワラサの木で造った磨き上げた長い箱、そこへコハダのすしを入れて、”コハダのすうしー”とくるんだナ」
町山公一さんがすし売りの声色をまねると、昔を思い出して、拍手する面々はいずれも明治生まれ。

関東大震災の前後は、徴兵検査を終わった遊びざかりの年頃だ。
まず、震災前のすし屋の思い出話。

「あの頃、両国では、与兵衛ずしが一番でしたよ。普通のすし屋で1個5銭、一人前30銭ぐらいのときに、新橋のおけいずしが、25銭、与兵衛は1円でしたねえ」(町山公一さん)

浅草でラムネ・ゆで玉子が1銭、牛丼の大が5銭、普通盛りが3銭、湯銭が1銭の時代である。

「新橋じゃ新富、京橋で幸寿司、湯島の蛇の目、芝虎門の毛抜鮨、日劇の下の天よしもよかったねえ」(石塚徳治さん)

「震災前に一番流行った店は、浅草で寿司清、金鮨、すし初。上野で松栄、鳥森の大ずし、渋谷の宝来・・」(杉田雅之さん)
「日本橋の宝来はいいお店でしたよ。あそこはヒカリモノはコノシロしか使わなかったね」(白土新次郎さん)

震災を境に、握りのタネが変わってきた。震災前は、貝はアカガイ・ナマガイ(アワビ)・トリガイ・ミルガイ・ハマグリ。

「貝は何と言ってもアカガイだよ。それも検見川(千葉県)ものを一番としたもんだよ。地方では青森の油川もの、ちょっと落ちて三河湾もの。ハマグリはなんてったって五井(千葉県市原市)ものだったねえ」(町山公一さん)

「ヒカリモノは、シンコ(コハダの子)にコハダ、ついでにカスゴ(小ダイ)、サヨリ、キス、アジでしたよ。アジは江戸前といえば、まず生麦(横浜市)ものとしたもんでしたよ。」(石塚徳治さん)

「間違えちゃいけないよ、震災前はヒカリモノは、全部酢の物だよ。握るときには必ずオボロをタネの下においたもんだよ。今のすし屋、ほとんどオボロを使わないねえ」(町山公一さん)

そのオボロの材料がまた難しかった。

「そうだよ。オボロの材料は銚子のサルエビとしたもんだね。次がメヌケだよ」(白土新次郎さん)
「今のはスケソウのオボロだからねえ。昔ならネコも食わなかったろう」と口の悪い町山さん。

煮物のタネは、まずアナゴ、次にイカ。そのアナゴは、鮫洲沖(品川沖)から羽田までを台場ものと呼んで江戸っ子の誇りだった。

イカはスミイカに限った。

「すし屋が嘆いていたねえ。スミイカ握ったら『オヤジ、今日のイカは肉が薄いねえ』って文句を言われたってねえ」(白土新次郎さん)

震災前はイカはタネに使っていない。そのイカも煮物にあらずば、塩してさっと酢をくぐらせて握った。タコも煮物。
白身はヒラメ・タイ・ムツだが、ムツは屋台用。
「昔はね、白身はヒラメだけで間に合うとしたもんだよ。黒皮をタネに使って白皮は煮て食ったねえ}(町山公一さん)

「しかしね、ヒラメは冬場だけよ。江戸っ子は旬のものしか食べませんでしたよ」(石塚徳治さん)
「上物はエビに、貝はアカガイとしたもんでしたよ。エビはマキだけでした」(杉田雅之さん)

マキとは5匁から10匁(37.5グラム)のクルマエビ。いわばクルマエビの子だ。そのクルマエビの名所が・・、「クルマは姉ケ崎から木更津あたりのが1番でしたねえ。船橋あたりのもよかったんですよ」(杉田雅之さん)

戦後のすしのタネはカズノコなど、余りにもいかもの【如=何物/▽偽物】が多すぎる。
(すし風土記 近藤弘著)

本日入荷の寿司種です。(入荷が少ないものは、早めに無くなるものもございます)

イサキ、カンパチ、小柱、アオヤギ、アカムツ、イワシ、春日鯛、クロムツ、シマアジ、サヨリ、赤貝、サザエ、ハマグリ、ヒラメ、タチウオ、甘鯛、真鯛、金目鯛、煮アナゴ、アジ、タコ、アオリイカ、シメサバ、コハダ、ウニ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)、

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2022年01月05日

天然クロアワビとすし店の符牒

鋸南町の気温は1℃ 晴れ

アワビ(鮑)

天然のアワビには、アカアワビ、クロアワビ、マダカアワビがありますが、クロアワビ、マダカアワビは肉質が良く生食(寿司、刺身)に向いています。本日は、クロアワビをお勧めします。

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(クロアワビの寿し、酒蒸し後に肝をのせて供します)

アワビはワカメやカジメなどの海藻をエサにするので、海藻の栄養素がそのまま凝縮されてアワビの栄養分となります。低脂肪・高たんぱく・低コレストロールで低カロリー、ミネラル類が豊富(銅、亜鉛、鉄分、マグネシウム)で、コラーゲンが非常に豊富です。さらに、タウリン、カリウム、ビタミンA・B・Cが豊富に含まれてまさに栄養の宝庫です。

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(クロアワビ寿し)

貝の身の固さがコラーゲンの多さと比例すると言われます。アワビの身は特に固くコラーゲンが多い理由です。コラーゲンには、皮膚などを若々しく保つ働きや、骨を丈夫に保つ働きがありますから、老化予防には最高の食材です。

寿し店で使われる符牒

前回に引き続き、符牒の話です。業界ことばですが、今はお客様もガリという符牒は使う方が多いです。

(ガリ)
甘酢につけた生姜のこと。噛んだ時の音感からガリ
(片身づけ)
片身一個をすしダネとして1つのすしにつけることを言う。
(1枚づけ)
開きにしたもの1枚をすしダネにつけること(片身づけのものより小さい魚)
(2枚づけ)
開きにしたもの2枚を1つのすしにつけること。
(クラかけ)
クラ(鞍)をかけたように握ったすし飯の上にすしダネを被せることをいう。厚焼き玉子に線を入れて被せたり、タイラ貝を二つに開いて被せたすし。
(おどり)
生エビのことを言います。生きている時のエビはピンピンとはねて踊っているみたいだから。
(玉割り)
水でうすめることをいう。玉とは水のことで東京では昔から多摩川から水をひいていたので水のことを玉といったという。
(浪の花)
塩のことで一般にも用いられる。
(ムラサキ)
しょうゆのことで、これも一般にも用いられている。
(オテモト)
箸の事。広く一般にも用いられている。
(オアイソ)
お勘定の事。

(出典・すし調理師入門)

本日の寿司種です。(ご来店時は、ご予約をお願いします)

ブリ、アマダイ、タチウオ、カンパチ、シマアジ、金目鯛、真鯛、花鯛、サワラ、コハダ、赤貝、アオリイカ、クロムツ、アジ、アナゴ、ウニ、サバ、サザエ、アワビ、たこ、ヒラメ、自家製玉子焼き、他
(魚介は全て天然物です)

皆様のご来店をお待ち申し上げます

※午後6時以降のご来店はご予約をお願いします。
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タグ:符牒
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